版画 は版を重ねて画面を作っていく。 今回の展示は、ひたすら刷り重ねたら どの様な画面になっていくのかを 観察する行為でもあった。
1枚の版をひとつの世界だとすると、 10枚の版を刷り重ねて出来た世界は10を1に観る世界。 どの版がどの版より上にあるか下にあるかなんて分からない。 全て同時で境界線がない。 地と柄さえも一体に観える 柄の奥から地が透きとおる...。 アニミズムの世界みたい。
この世のちいさな雛形をフワリと 刷り出せたような気がして、 こころがふるえた。